資産が人を駄目にする
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多動力の興味深い内容
堀江貴文氏(ホリエモン)の話題の著書「多動力」を読みました。本書の終盤でレオス・キャピタルワークスの藤野英人氏の話が紹介されていて、興味深かったので記事にします。
内容は29番目の「資産が人を駄目にする」という節で語られます。
(前略)
以前、HIUの企画で、投資家の藤野英人さんと対談した。
藤野さんは野村證券、JPモルガン、ゴールドマン・サックス系の資産運用会社を経て、現在は「ひふみ投信」を運用している。
藤野さんが「損切り」についてしていた話が面白かったから紹介しよう。
あなたが1000万円で買った株が200万円になりました。
売るべきですか?売らないべきですか?
みなさんはどう考えるだろうか。
これは東電株の話だったが、ここで重要なのは、800万円の損をしたことはとりあえず忘れるということだ。
そして、フラットな目で、今から東電の株を買うとしたら200万円出すに値するのか、それとも200万円あるならば、他の株を買った方がいいのかを考えることだ。
800万円の損をしたということは、ただ感情的な問題であって、株の価値には本来まったく関係のない話だ。
だから、売るべきか、売らないべきかの判断にはそれを持ち込んでは行けないのだ。
藤野さんの「ひふみ投信」は、たとえば投信に100銘柄組みこむとしたら、それまでその株をもっていて上がった下がったというのは無視して、現時点でベストの銘柄を組みこむようにしている。
(後略)
P237-239より引用 強調部分は私の独断です
損をしたくないという感情による損失
まさか「多動力」で株式投資の話を読むことができるとは思いませんでした。しかも、結構いい事を言っています。
私は現在ちょうど多くの銘柄で含み損を抱えています。現物で130万円くらいの資産が100万円くらいにまで減っています。
それでも、現在保有している株がいつかリバンウドして元に戻り、利益になると期待しているから保有を続けています。しかし、それがいつになるかは分かりません。そこには単純に「損切り」をして損をしたくないという感情が働いていることも事実です。
「損切り」をしないことにより、他の有望な銘柄に乗り換えないまま持ち続けることが機会損失に繋がっていると見ることもできます。
損失額ではなく、今残っている資金をどのように運用するのかが大事です。今残っている100万円で、新たにめぼしい銘柄に乗り換えたほうが結果につながるかも知れません。
藤野氏の、現状の資産に損失の感情を持ち込んではならないという話は参考になりました。
確かに、損失した額のことばかり考えていました。
「レオスひふみプラス」などのトータルリターンを見れば、実際にそうやって結果を残してきたことがわかります。
(最近のリターンは悪いですが…。しかしそれは地合いのせいであり、レオスの所為とは一概にいえないと考えています。)
アマゾンなどの海外の大型銘柄を組み入れ始めたとき、ずっと国内の銘柄を組み入れていたのに急に海外の銘柄の保有に踏み切って話題になりました。その理由も、単純にそのようなポリシーに沿って最適と判断しただけにすぎないのかもしれません。
素人にはむやみに乗り換えるのもリスク
しかし、それは藤野さん並みの経験や知識などがあって目ぼしい銘柄を発見できるわけです。素人が気軽に銘柄を乗り換えても、更に損失を被ったり、売買をくり返す手数料によって損をする可能性も高いです。
ですので、ホイそれと銘柄を乗り換えることもせず、本当にこれは買いだなと思える銘柄が出てこない限りは現状の銘柄を保有し続けたいと思います。
ただ、損失額ばかり考えながらアホールドしてるのではなく、今ある資金を最大限に生かすにはどうしたらよいかということは、常に考えるようにした方がいいと今回の話を読んで思いました。
余談
ちなみに堀江貴文氏自体が資産運用や投資についてどう考えているかというと、実は否定的な考え方です。
今の時代、資産なんか持っていなくてもやりたいことがあればクラウドファンディングなどで集めることが出来るから必要ないという考えです。
まあ確かに、同氏並みの行動力や人脈があればいくらでも資金を集めて色々な事業を行い、利益に繋げることができそうです。
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