吉野家ホールディングス(9861)赤字決算!優待目的保有チャンスか
Sponsored Link
皆さんこんにちは、資産ためぞうです。
優待目的として気になっている銘柄の一つ、吉野家ホールディングス(9861)が1月10日に赤字決算を発表し、株価が急落しました。
今回はそれを受け、吉野家ホールディングスに対しての考察をしていきます。
優待内容
その前に、吉野家ホールディングスの優待内容を簡単に紹介します。
吉野家の優待は、自社店舗で使用できる割引券です。
ご利用内容
お会計額に応じ、複数枚のご利用が可能です。
配布枚数
店舗で販売しております、すべての商品がお引き換えの対象となります。
ただし、「株主様ご優待券」のみでお支払いをされる場合には、お釣りのお支払いはできませんので、ご注意下さい。
- 100株~999株の株主様:
- 2月末、8月末の半期毎に10枚の300円サービス券を進呈いたします。
- 1,000株~1,999株の株主様:
- 2月末、8月末の半期毎に20枚の300円サービス券を進呈いたします。
- 2,000株以上の株主様:
- 2月末、8月末の半期毎に40枚の300円サービス券を進呈いたします。
発送時期
2月末分は5月上旬、8月末分は11月中旬となります。
ご利用いただける店舗
日本国内の株式会社吉野家、株式会社はなまる、株式会社アークミール、株式会社京樽の店舗でご利用いただけます。
なお、一部優待券の取扱いのできない店舗がございます。(吉野家の競馬場内・競艇場内・臨時店舗等と、京樽・はなまるの一部店舗)※吉野家ホールディングス 株主優待情報より引用
100株の保有で配当金2000円+優待6000円分で、合計8000円です。現在の株価から優待配当利回りを出すと4.68%になります。
吉野家 赤字の理由
優待目的の保有するために、まずは赤字になった理由を探ります。
第3四半期決算短信を見ると、増収・減益となっています。
前期より売上は増えているのに、営業利益、経常利益、四半期純利益はマイナスとなっています。
一体何があったのでしょうか?
次に、「経営成績に関する説明」を読んでみます。
まず、増収の理由は、主に店舗数の増加によるものでした。
対して、赤字の理由を箇条書きにすると、
- 北海道地震による影響
- 9月の台風による影響
- 牛肉・米を中心とした原材料価格の高騰
- 人手不足やアルバイト・パート時給の上昇による人件費の増加
の4つに分かれます。
このうち1と2は、天災によるもので、いつも起こるわけではありません。しかも、売上高は増えているわけですから、これらを減益の理由にするのも少し違和感があります。
ということは、主な原因は
- 原材料の高騰
- 人件費の増加
なのではないかと推測できます。
原材料の高騰
原材料の高騰は、確かに昨年末にかけて円安ドル高に動いていたので、アメリカ産牛肉は値上がりしていたのかも知れません。
しかし、為替の問題は関係なく、デフレの日本より米国の方がインフレ率が高いので、この問題は長期的につきまとっています。原材料の高騰は今後も続いていきます。
人件費
もう一つは人件費の上昇です。個人的には、今回の赤字決算に一番影響したのは、人件費だと推測しています。
ちょうど昨年に全国の最低賃金が改定されました。その影響を受けたようです。店舗の張り紙等を見る限りでは、吉野家はおそらくほぼ最低賃金でアルバイトを募集していると思いますので、もろに影響を受けたはずです。
しかも、今後最低賃金が下がることはなく、むしろ上がる一方だと思います。一時的な問題ではありません。
対策としては、やはり商品の単価を上げるか、なんとかして人員を削減しても営業できるシステムを作っていくしかないのではないでしょうか。
人件費コストに関しては、AIやロボットによる自動化、キャッシュレスなど、社会的にはそういう流れになっていますが、かといってすぐに削減できるようにするのは難しそうです。
優待目的の保有を考える
株価はどうなるか
最初に結論として、株価はどうなるかの予想を書きます。
優待目的の買い支えが入り、すぐにどんどん下落していくことはない。
しかし、このまま原材料の高騰や人件費の増加による問題を解決できず長期的に業績が低迷すると、徐々に株価は押し付けられたように下がっていく。
と予想しています。以下からその理由を書いていきます。
優待廃止のリスクはあるか
株主優待株の保有を検討する時、必ず抑えておきたいのは、株主優待を廃止するリスクはないのかという事です。
人気優待なほど、万が一廃止が決まった時、大暴落となり大損してしまう可能性があるためです。
結論からいうと、吉野家の場合は赤字になっても優待を廃止する可能性は低いです。
なぜなら、吉野家の優待は、自社製品の割引だからです。
自社製品の割引券は、
- 宣伝になる
- 経費が少なくて済む
などの理由で、クオカードなど金券系の優待よりも廃止されにくいです。
吉野家の場合も、おそらく優待廃止はないと思います。長期的に業績が低迷すると、改悪はあるかも知れません。そうなって欲しくはないところです。
チャートを考察
ここで、チャートを考察してみます。2019年1月16日現在のチャートです。
2017年から続いた上昇トレンドが2018年7月頃で終わったようです。
チャートから読み取れることは、
- 移動平均線が全て下方向に向いてきている。
- ロウソク足が移動平均線の下に入っている。
このことから、しばらく下降トレンドに入る可能性が高いです。
ファンダメンタル(PBR)
簡単に見ます。赤字になってしまったため、PERが測定不能になってしまいました。
そうすると、次に代表的なのはPBRの指標です。吉野屋ホールディングスの現在のPBRは、約2倍です。基本的にPBR1倍以下になることはないと仮定すると、株価は下がっても今の半分までということになります。
赤字決算が続いて更に業績が悪化していった場合は別です。
人気優待銘柄は特殊
チャートやPBRを見ておいて言うのも何ですが、吉野家はおそらく普通の銘柄のようには動かないでしょう。
なぜなら、人気株主優待銘柄だからです。
こういう人気優待銘柄は、優待目的の買いが入り、テクニカルが下降トレンド突入を示していても、ファンダメンタル的に割高だろうとも、少し下げると個人投資家から買い支えが入ります。
結論
以上の点から、
優待目的の買い支えが入り、すぐにどんどん下落していくことはない。
しかし、このまま原材料の高騰や人件費の増加による問題を解決できず長期的に業績が低迷すると、徐々に株価は押し付けられたように下がっていく。
という結論になります。
イメージとしては、JT(2914)のチャートです。
JTの業績はここ数年でほぼ横ばいとなり、タバコの増税や規制リスクによりマイナス材料も多いです。
しかし、高配当でキャッシュもまだ潤沢にあるため配当目的でディフェンシブな運用の投資家から人気を集めています。
そのため、株価が下がると配当目的の投資家から買い支えが入ります。とはいえ、業績にプラス材料がないため、昨今の地合いの影響もあって徐々に株価が押し付けられたように少しずつ下がっています。
吉野家の株価も、業績が回復したりプラス材料がない限り、JTの様な動きになって行くのではないかと推測します。
さいごに
私は、吉野家に限らず普段よく牛丼屋に食事に行くので、牛丼チェーン店の株主優待は前からチェックしています。
吉野家、松屋、すき家と牛丼店の優待は人気があり、どれも割高です。今回の吉野屋の赤字決算により、もっと下落してくれたらと思っていました。
とはいえ、必ず保有しなければいけない訳ではないので、買い逃し覚悟でもっと下げるまで待とうと思います。
今後更に株価が下がってきたら、保有を検討します。
吉野家の株主優待は、300円ずつ使わないといけませんが、年に6000円分貰えるのでお得感があります。
最後に、投資は自己責任でお願い致します!
株主優待関連記事のリンクです。