【脱初心者】PER・PBR・ROEは3つ一緒に見ないと意味がない
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- PER・PBR・ROEは一緒に見ないと意味がない
- PER・PBR・ROEは連動している!
- PERの目安
- PBRの目安
- ROEの目安
- 理想は低PER、低PBR、高ROE
- PER・PBR・ROEの見方
- 保有株で検証
- まとめ
資産ためぞう(@sstamezo)です。今回はファンダメンタルの脱初心者を目指した記事です。
PER・PBR・ROEは一緒に見ないと意味がない
ファンダメンタルにおいて、投資の入門書でもよく目にする代表的な指標がいくつかあります。中でもPER、PBR、ROEは必ず出てくるといっても過言ではありません。
しかし、意外とこの3つの指標が連動しているということは紹介されていません。私自身、その事実は株式投資の入門書ではなく、「ファンダメンタル投資の教科書」という本で初めて知りました。(入門書で読み飛ばしただけかも知れませんが)
実際、PER、PBR、ROEという指標は、それぞれ単独で見ていても、その銘柄が良いのか悪いのか分からない事が多々あります。
しかし、この3つの指標を一緒に見ることで、その銘柄が割安なのか、あるいは成長性があるのかという事がある程度分かります。
ということで、今回はPER、PBR、ROEの連動的な見方を紹介します。
PER・PBR・ROEは連動している!
ファンダメンタルで代表的な3つの指標である、PER、PBR、ROEは連動しています。ですので、どれか1つだけを見ていても、実は的確な判断はできません。
PBR=PER×ROE
ここが大事です。これらの3つの指標は、
PBR=PER×ROE
PER=PBR÷ROE
ROE=PBR÷PER
という数式で成り立っています。
結論からいうと、この関係を念頭において判断すれば良いと言うことです。
別に数式を丸暗記する必要はなく、とりあえず密接に関係している事を覚えれば大丈夫です。
PERの目安
PERとは、割安さを判断する指標です。
「今の株価が、一株当たり純利益の何倍であるか」を示します。PERは「◯倍」と表します。
計算式は、
PER=株価÷1株あたりの当期純利益
となります。
一般にはPERが15倍より下だと割安と言われています。しかし、PERだけで割安さを完全に判断することはできません。
その理由は主に、
- 業種によって平均PERが違う。
- 業績が落ち込んでいる企業は「1株あたりの当期純利益」が減っていくので、同じ株価でもどんどんPERが高くなっていく。
- 成長企業は、「1株あたりの当期純利益」がどんどん増えていくので、今のPERが15倍以上でも割高とは言えない。
などです。
PBRの目安
PBRも、PERと同様にその企業の株価が割安であるかを判断するときに用いる指標です。
「株価が1株あたりの純資産の何倍になるのか」を表したものです。
計算式は、
PBR=株価÷1株あたりの純資産
です。
PBRは、一般的には1倍以下で割安と判断されています。
しかし、PBRもアバウトであり、人によっては1.5倍で割安と判断する投資家もいますし、中には0.7倍以下でないと投資しないという投資家もいます。
そして、やはり業種によっても平均のPBRは違います。
ROEの目安
最後にROEです。ROEは、企業の収益力(稼ぐ力)を判断するために用いる指標です。ROEはPERやPBRと違い「◯%」で表します。
ROEは、「自己資本を元に、どれくらいの利益を稼ぎ出しているか」を調べることができます。
計算式は、
ROE=(当期純利益÷自己資本)×100
となります。
ROEは、一般的に8%以上が成長が見込める最低限の数字であるとされます。8%は最低限で、数字が高いほど良いです。成長企業のROEは20%以上あるものが多いです。中にはROEが50%以上ある企業もあります。
ROEは有効な指標ですが、計算式で分かる通り、株価を反映しません。いくらROEが高くても株価が成長性を織り込んですでに割高になっている場合もあるので、PERやPBRと一緒に見たほうが良いでしょう。
理想は低PER、低PBR、高ROE
PER、PBR、ROEは、一見すると別々の指標に見えます。しかし、前述の通り、
PBR=PER×ROE
という計算式がなりたつ、関連性のある指標です。
またそれぞれには、
- PER(◯倍)→低いほど割安(15倍以下)
- PBR(◯倍)→低いほど割安(1倍以下)
- ROE(◯%)→高いほど収益力がある(最低8%以上)
という判断材料があります。
つまり、これらを複合的に見れば、単独で見るよりも有効に判断することができます。
PER・PBR・ROEの見方
3つの指標の見方として、私の場合はROEからPERとPBRを見ると分かりやすいです。
まず、気になる銘柄のROEを調べます。
ROEが高い場合
ROEが高かった場合、次にPBRとPERを見ます。
ROEが高いときは、先程の計算式の関係上、PERが高いかPBRが高いか、またはその両方となります。
その時、高ROE、低PER、高PBRだったら、その銘柄は割安の可能性があります。
高ROE、低PBR、高PERだったら、その企業は割高の可能性があります。
今までの経験上では、PBRが高くてもPERが低ければ、割安な事が多いです。逆に、PBRが低くてもPERが高い場合は、割高なイメージがあります。
結論としては、3つの指標を見たとき、一番の理想は
高ROE、低PER、中PBRです。
(PBRも低が理想ですが、理論上それはありえないので…)
保有株で検証
※2019年3月4日終値の株価で算出
電算システムは、これだけを見ると割高に感じます。しかし、成長性などが株価に織り込まれているのでしょう。それにしても最近で一気に急騰したので、近いうちに株価は調整を挟むかも知れません。
KDDIは、この3つの指標を見る限り、優等生に見えます。NTTやNTTドコモなど、通信大手は盤石な数字です。
オリックスは、これらを見る限りでは割安です。しかし、四半期決算短信の内容が3期連続で前年比よりマイナスなのでこれでも一概に割安とはいえません。また、金融業は全体的に割安の傾向があります。
オリックスに関して言えば、色々な事業を手掛けているため投資の判断が難しく、割安に放置されているという点もある様です。
まとめ
今回は、PER、PBR、ROEを一緒に見ることで、判断がしやすくなるという事を書きました。
私自身、銘柄を調べるとき、そのことを忘れないように記録するという目的を込め、今回の記事を作成しました。
もちろん、この3つの指標だけで投資を判断することはできません。
他にも予想PERを元にした「PEGレシオ」といった指標、配当性向や配当利回りも重要ですし、自己資本率やキャッシュフローから財務健全性を調べること等も重要です。そのうち順番に記事にしたいと思います。
また、その他に投資タイミングとして、移動平均線とローソク足の関係や出来高といったテクニカルも参考にしたいです。
関連リンクとして、投資タイミングについて書いた記事です。
最後に、今回の内容は「ファンダメンタル投資の教科書」を参考にしました。