株式投資で「損切り設定」は必要なのか
Sponsored Link
みなさんどうも、資産ためぞう(@sstamezo)です。
株式投資の入門書によく載っている、株で大損しない方法として「損切り設定」があります。
買値の10%や20%下落した場合のラインに売り指値を入れておき、それ以上の損失を防ぐというものです。
今回の記事では、「損切り設定」について記載します。
株式投資を行う上で大事なポイントになるので、現時点での考えを記録したいと思います。
「損切り設定」を行わない決定的な理由
結論から言うと、損失を防ぐため、現金の「買付け余力」は気にしていますが、「損切り設定」については全く行っていません。
「損切り設定」はほとんど必要ないと考えています。
自信のある企業に投資できていれば、一時的な株価の動きを気にして損切りするのはもったいないからです。
以前に記事でまとめたミスターマーケットの話にも通じます。
企業が期待通りに成長しているときでも、相場が下降トレンドになった時、理不尽に株が売られて株価が不当に下落する事があります。
外的要因の一時的な下落だとしたら、売りたくなくても「損切り設定」を行ってしまうと自動的に売却されてしまいます。
また、意外と多いケースが企業の短期的なネガティブ要因につられて一時的に株価が急落する事です。
あくまで短期的にネガティブなだけで長期的には問題ない場合でも、相場全体の雰囲気等も影響して必要以上に値を下げる場合が最近頻繁にあります。
そういう状況の中でいちいち損切りをしていたら、長期保有などできません。
場合によっては一時的な売りはむしろ買い増しのチャンスでもあります。
「損切りしない派」になった経緯
株式投資を始めたばかりの頃、入門書のマニュアル通りに「損切りルール」を行っていました。
損切りラインに到達し自動的に売却したものの、やはりその後株価が回復する事があり納得できなかったので、それから損切りを行わないことにしました。
最初は損切りラインを甘くすれば解決するかと思いました。
しかし損切りラインを甘くするということは、損をする金額を大きくする事と同じです。
損切りラインを甘くしておいて損切りラインに触れたら、甘くしなかったときよりも大きく損をした挙句に手放してしまう訳です。
損切りラインの匙加減で悩むならいっその事、損切りすること自体を止めたほうがいいという結論になりました。
前述した通り、そもそも自信のある企業に投資していれば、損切りするような株価まで低迷しても遅かれ早かれ回復するはずだからです。
また別の考えとして、損切りしても同じ銘柄を再保有したり、切り替えて他の銘柄を新たに保有すれば良いと考える人もいるかも知れません。
しかし、同じ銘柄の再保有は運が良ければ更に安いところで買えるかもしれませんが、タイミングにより逆に損をしますし、少なくとも売買手数料は余計に発生してしまいます。
他の良さそうな銘柄も、いつもそう上手く見つかるものではないので、結果的に「損切りしない派」になりました。
もちろん、「損切りルール」と「買付け余力ルール」を両方とも行うのが最もディフェンシブな投資方法です。
しかし、「損切りルール」は上記に書いた通り、長期投資においてはチャンスを逃すことが多いルールです。
「買付け余力半分ルール」だけでも、そのルールをしっかり守れば相場の世界から早々に退場することはありません。
「買付け余力半分維持ルール」のデメリット
上記で「損切りルール」に関してのデメリットと行わない理由を書きました。
では一方で「買付け余力維持ルール」が万能であるかというと、全くそういうわけではありません。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
今度は「買付け余力ルール」のデメリットについて書きます。
資金が少ないとき銘柄の選択が限られる
資金の半分しか買わないわけですから、資金が少ないと保有できる銘柄の選択肢が極端に少なくなります。
特に50万円以下くらいですと、選択肢は価格の安い銘柄に限られてきます。
よく株式投資は10万円からできると言われていますが、正直な話10万円から利益を伸ばすのは至難の技です。
10万円くらいの資金しかない場合は、流石に「買付け余力半分ルール」ではなく「損切りルール」だけを適用して10万円分の資金を全額投資したほうが利益を得やすいかと思います。
銘柄選択が下手だと塩漬け株が増える
「損切りルール」は自動で含み損になった銘柄を切ってくれるので塩漬けとは無縁です。
しかし「買付け余力ルール」は自動では切れないので、銘柄選択が下手だと塩漬け株が増えてしまいます。
買付け余力を半分に保ってさえいれば再起不能にはならないものの、塩漬け株がポートフォリオ上にたくさんあるのは精神衛生上あまり良くありません。
安定した給与所得などの所得があり、定期的に資金を補充する事ができる人であれば塩漬けはそこまで問題ではありません。
資金を補充できない人にとっては、資金を減らす事が致命的になりかねないので「損切りルール」は守ったほうが良いです。
「損切り設定」をしないことによるリスク
損切り設定をしないことで生じるリスクも当然あります。
「損切り設定」の良いところは、一度設定してしまえば本人の意志とは関係なく自動的に損切りが実行される点です。
しかし、自分で損切りを行う場合や、「買付け余力半分ルール」の場合、そのルールを維持するのは自動ではなく自分自身です。
時には損失を確定させたくないという、自分自身との戦いになります。
かつて、ライザップやハナツアーといった銘柄でなかなか損切りできずに含み損を増やし続け大損したこともありました。
ですので、損切り設定はしなくとも、損切りには素早い決断力が必要になります。「利益は大きく、損失は少なく」を心がけています。
損切りが必要なパターン
最後に、私は基本的に損切り設定はしないと書きました。しかし、当然損切り設定はしなくても自ら損切りする必要のある状況もあります。
まず、決算発表などで自分の想定していた業績とは違っていた場合です。この場合は、一時的な損失などでなければ、早めに撤退した方がいい場合が多いです。
あとは、企業の不祥事でそれが尾を引きそうなときです。この場合も、早めに撤退したほうがいい場合があります。
また、仕手筋や機関投資家が介入して株価の値動きが予測できなくなった場合も、残念ながら手放したほうがいい場合もあります。
中長期投資だからこそ損切り設定が不要
中長期投資を行っているため、大前提として中長期投資を想定して話を進めています。
短期取引では損切り設定の重要度が増します。
更に、株式投資以外では、FX、ビットコインなどの仮想通貨、先物取引など、株式投資以上に「損切り設定」が重要になる取引はたくさんあります。
ある意味で株の長期投資は、入門書では必須として書かれる「損切り設定」が比較的重要ではない数少ない投資法と言えます。
他にはFXのスワップ金利で稼ぐ長期投資も損切りの重要度が低いでしょう。長期投資系は「損切り設定」の重要度が低いのです。
まとめ
今回の内容をまとめたいと思います。
・「損切り設定」は盤石な投資のディフェンス対策だが、一時的な相場の暴落等につられてチャンスを逃してしまう可能性があるのが致命的な欠点。
・それでも長期投資で「損切りルール」を利用した方が良い人
a.少しでも資金を減らしたくない人
b.定期的に資金を補充できない人
c.欲に負けて買付け余力を確保できる自信がない人
d.塩漬けが嫌な人
・損切り設定は必要なくても損切りは必要
a.業績が想定より悪くなった場合
b.企業の不祥事が発覚した場合
c.仕手筋や機関投資家の介入があった場合
・短期投資系は損切り設定が重要
今回は株式投資において重要な手法である「損切り設定」、また「買付余力半分維持ルール」について記載しました。
機関投資家は常に市場平均よりも高いパフォーマンスを求められ、またフルインベストメントで望まなければなりません。
対して個人投資家は、常に市場平均を超えなければいけないわけではないですし、そのうち上がりそうだったら無理に損切りしないで持っていてもOKな訳です。
「果報は寝て待て」ということわざもあるように、自分が自信を持って選んだ銘柄なら、あとは上がるまで黙って待てば良いのです。
最後に関連リンクとして、目先の株価に惑わされすぎないようにしたいという記事です。