株主優待イベント投資とは
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みなさんごきげんよう、資産ためぞう(@sstamezo)です。
今回は、最近私がメインで取り組んでいる、株主優待イベント投資(以下「優待イベント投資」)について、どういう投資方法なのかを紹介します。
私自身、まだ本格的に初めたばかりなので、偉そうに人に話せる立場ではありません。
しかし、現在の自分の考えをまとめて置くことで、自分自身の考えも整理できるので、書こうと思います。
株主優待イベント投資とは
イベント投資とは
イベント投資とは、ファンダメンタルやテクニカルでもないけど、ある出来事(イベント)に対して、関連する銘柄の株価が動く一定の傾向を狙って投資をする方法です。
(カタカナで「イベント・ドリブン・トレード」などと呼ばれることもあります。)
例えば、最近日経225銘柄の入れ替えがありました。除外される銘柄と新しく入る銘柄を予想して投資するのも、ファンダでもテクニカルでもない、ある出来事に対して投資をする一つのイベント投資です。
すごくあっさりと説明しました。詳しく知りたい方は、イベント投資の名付け親である夕凪さんや、個人投資家のまつのすけさんの著作が、入門として分かりやすいと思います。
株主優待イベント投資とは
株主優待イベント投資とは、その名前の通り、優待権利獲得日に向けて株価が上昇する傾向を狙って利益を得る投資法です。
「百聞は一見にしかず」ということで、私が勝手に優待イベント投資の王様だと思っている、アトム(7412)のチャートを紹介します。
アトムの優待権利獲得日は、3月末と9月末です。その時期に合わせて株価が少し上昇しているのが分かります。
これを狙うのが優待イベント投資です。
それだけです…。
株主優待イベント投資の特徴
初心者でも入りやすい
特徴としては、まず株の初心者でも始めやすいと思います。理由は、決算書や四季報を読む必要も無いですし、テクニカルを勉強する必要もないからです。
ただひたすら、権利獲得日に向けて上昇している銘柄を探し、良さそうなタイミングで保有し、権利日の前の適当な時に売却するだけです。
値動きが少ない銘柄が多いし、数日から数ヶ月の間保有する投資スタイルなので、日中にあまりチェックできない兼業投資家の方でもやりやすいと思います。
期間としては数日から最長で数ヶ月間
保有してから売却までの期間は、1ヶ月〜3ヶ月くらいが多くなると思います。
中には、出来高が少ない銘柄などは半年前くらいから徐々に上げてくる銘柄もあります。
逆に権利獲得日の直前の十数日前から動きが分かりやすくなる銘柄も多いです。
銘柄ごとに値動きの傾向が違うので、銘柄ごとの特徴を把握したうえで売買するのがコツです。
ハイリターンではない
上記のアトムのチャートを見ていただければ分かりますが、権利獲得日に向けた上昇は、正直なところ地味な上昇が多いです。
たまに好業績発表や好材料ニュース、地合いの良さなどが重なって予想外に上昇することもありますが、その逆もあります。
基本的にはいきなり資産が倍増するような投資法ではない、という事です。
自分の目標としては、年利20%以上、最低でも市場平均以上のリターンを目指しています。
脱線しますが、「お前10年で1億円を目指しているじゃねえのか、年利20%じゃ無理だろ」という意見があると思います。
その通りです。しかし、能力がないのに無理やりハイリスクな投資をしても仕方ありません。まずは優待イベント投資で場馴れしつつ、他のイベント投資法に挑戦していき、やがては年利50%〜100%くらいになって目標達成、というのが今のプランです。
イベント投資家のまつのすけさんも、イベント投資のリターンとして年利20〜100%程度と書いているので、全く無理な話では無いと考えています。
資金の少ない投資家向け
優待イベント投資のいいところは、資金が少ない投資家でも不利ではないということです。
理由は大きく分けて3つあります。
時価総額の小さい・出来高の少ない銘柄でも勝負できる
優待イベント投資に向いている銘柄は、時価総額の小さい銘柄や、出来高が少なめ銘柄もあるからです。(もちろんそうでない銘柄もたくさんある)
時価総額や出来高が少ないということは、大口投資家や機関投資家が基本的に参戦できないことを意味しています。自分たちの資金を入れるだけで株価が極端に高騰してしまいます。
また、大口や機関が大量の資金を時価総額の小さい銘柄や出来高の少ない銘柄に投資して、万が一その銘柄の銘柄に悪材料等がでたら、売りたくても買い手が現れずに売り切れなくなるリスクが生じます。
機関などは、時価総額何億円以下の銘柄や、出来高が何株以下の銘柄には投資しない、という社内ルールがあるという話も聞きます。
ですので、優待イベント投資は、大口や機関が入ってこれない、資金が少ない投資家にとっては聖域の中で戦える投資法と言えます。
もちろん、出来高が少ないというのは、良いことばかりではありません。小口投資家でも万が一の時は、出来高があまりにも少ない銘柄だと売りさばけなくなるリスクもあります。また、そうでなくても普段から「板」が薄くて思うような値段で売買できないこともよくあります。
個人的には、出来高の特に少ない銘柄には万が一の事を考えると、あまり集中投資しない方が良いと思います。
エントリー・エグジットが明確である
また、資金が少ない投資家でも不利ではないもう一つの理由が、優待イベント投資がエントリー・イグジットが明確である投資法だからです。
エントリー・イグジットとはFXやデイトレなどでよく使う言葉で、「"買い"と"売り"のタイミング」の事です。
私の場合の優待イベント投資のエントリーは、その銘柄の過去のチャートの傾向を見て、今の株価が同じように上がり出したときなどです。一応相場全体の市況や決算やIR、ファンダなども見ています。(エントリーは比較的難しいですね)
対してイグジットは、過去のチャートからいつ下落するか予測して、実際に下がりだしたときです。遅くとも最終権利確定日までには売ります。
他の投資法と比べ、特にイグジットは明確に決まっています。
このメリットが、資金拘束されないことです。
少額資金のみで長期投資などをすると、いつ上がるか分からない銘柄をずっと保有し続けなくてはいけないことが多いです。
奨学資金のうちに避けたいことの1つが、無駄に資金拘束されることです。例えば資産が数千万円あれば、適当に良さそうな銘柄をたくさんを保有して待つこともできます。しかし、資金が少ないと保有できる銘柄が限られてしまいます。
そうすると、迷って選んだ銘柄が下落し、候補から外した銘柄が上げたりすると精神的にキツイです。長期投資目的なのに結局売却してしまったり、良くない影響を受けたりしてしまいます。
優待イベントはエントリーイグジットがだいたい決まっているので資金拘束されるリスクがないことが強みです。
それが3つ目の有利な理由にもなります。
少ない資金でもトライ&エラーがたくさんできる
例えば長期の成長株投資だと、1つの答えが出るまで何年もかかったりしてしまいます。
対して優待イベント投資だと、毎月の権利確定日に向けて、いろいろ優待銘柄を試すことができます。
そして、毎月の権利確定日までに、「こういう銘柄が上がった」とか下がったとか、「こういう銘柄は意外と売買しづらかった」とか、勉強になることがたくさん出てきます。
また、何度も売買するので売買にも慣れますし、初心者が苦手とするロスカット(損切り)も、含み損の銘柄でも権利確定日の翌日に更に下落してしまうのでロスカットするしかなく、勝手に慣れることができます。
長くなってしまいましたが、次から優待イベント投資の特徴に戻ります。
相場全体の下げに比較的強い
これは普通の株主優待銘柄に言えることですが、人気優待銘柄ほど優待目的で保有しているホルダーが多いので、相場全体が悪くなっても下げづらいという傾向があります。
優待イベント投資は、もともとその銘柄の権利獲得日前という、特に下げづらい時期を狙って投資するわけですので下げ相場には強くなるはずです。
地味な努力が必要
ファンダメンタルやテクニカルは必要ありませんが、地味な努力というか労力は必要です。
まず上昇を狙いやすい銘柄を探さなければ行けません。ネットや本で探すのが手っ取り早いと思いがちですが、広く知れ渡るほど優位性が損なわれ、変な買いが入っていつもより早く急落してしまったりと、そういうことになります。
もともと出来高が少ない銘柄が多いので、資金の少ない投資家でもたくさん参戦してくると、いつもはまだ上げない段階のところで急騰してしまったりして、株価は予測不能な動きになってしまうのです。
実際、まつのすけさんが2018年に出した本で紹介されていた優待イベント投資向けの銘柄を調べたところ、2018年の株価の動きはそれまでと違うものもありました。
ちゃんと上昇している銘柄もあり、半分半分くらいでした。
ちなみに、上記で紹介したアトムは、夕凪さんが著書で例に上げて紹介し、その後まつのすけさんの銘柄リストにも入っていましたが、それでもなお安定した動きを見せ続けている希少な銘柄です。
アトムは、出来高が少ない訳ではありません。それにも関わらず安定した動きを見せているのは、人気のある優待銘柄ということもあると思います。私が一つオススメするなら、値動きの堅さからアトムを推します。(自己責任でお願いします。)
話が脱線しましたが、無難なのはあまり触れられていない銘柄を自分で見つけることかもしれません。
また、それぞれの銘柄の傾向も掴んで置いたほうが良いです。ある銘柄は半年くらい前から上昇しますし、ある銘柄は半月前だったりします。
売却のタイミングも、ある銘柄は権利獲得日まで上げるときもあれば、1ヶ月くらい前に天井を付ける銘柄もあります。
各銘柄の傾向を調べ、記録して買付と売却のタイミングを考えて売買しないと上手くいかないでしょう。
地味な労力が必要です。それでも、個人的には成長株投資などで決算を読んだり、デイトレードするより難易度は全然低いと思います。その分それ相応のリターンしか望めませんので、向き不向きがあると思います。
最後に
他にも色々あると思いますが、長くなってきたので今回はこのくらいにしておきます。
簡単にまとめると、
- 比較的難易度が低い投資法
- 株式投資の中ではローリターンだが、相場全体の下げには比較的強い
- 資金が少ない人でも不利ではない
- 資金が増えてくるとリターンを出しづらくなるかも(出来高が少ない株も多いので)
- 大口や機関は入らない、時価総額の小さい・出来高の少ない株が多い
- 地味な労力が必要
世の中いろいろな投資法があり、それぞれ向き不向きがあると思います。まだ始めたばかりですが、私はこのイベント投資法は今のところ性に合っているようです。
一定のリターンが望めそうなら、しばらく続けてコツを掴んで更に利益を上げられるようにしたいと思います。
最後に、今まで記録してきたイベント投資関連の記事を集めたページへのリンクです。